こんにちは。Toruです。アナーバーにも本格的な冬が到来し、数日前には初雪が見れました。選択授業がはじまり、自分の学びたい領域の授業を自由に取ることができるようになりました。今回は、MBAに来て初めてヘルスケア関連の授業を取り始めましたので、まとめたいと思いました。
今年、ロスで取り扱っているヘルスケア関連の授業は以下です。
Health Technology and Innovation
•BE 518: Business of Biology
•ES 720: Commercialization of Biomedicine
•TO 563: Innovation in Global Health Delivery
•Strat 609: Healthcare Strategy
Healthcare Organizations and Strategy
•BE 523: Comprehensive Healthcare Strategies
•Strat 609: Healthcare Strategy
•TO 563: Innovation in Global Health Delivery
•BA 685: International Business Immersion
Healthcare in Developing Countries
•TO 563: Innovation in Global Health Delivery
•BA 685: International Business Immersion
Health Economics and Health Policy
•BE 608: Healthcare Markets and Public Policies
•BE 688: Healthcare Public Policy Residential
私はBA685以外を現在履修及び履修予定です。現在、秋学期の後半は、BE608のHealth Markets and Public Policiesを履修していますのでこちらについて感じたことを書きます。この授業はアメリカのヘルスケア市場と政策、特に健康保険システムについて取り扱っています。ビジネススクールだけではなく、医学部の学生も参加しています。ディスカッション形式で授業が進められますが、事前の大量の読み物をベースとして議論しますので、なかなか歯ごたえのある授業です。
アメリカの健康保険システムにおいて、Affordable Care Act (ACA)、通称オバマケアが2014年から適用されました。アメリカは、高技術の医療を高価格で提供しているため、医療費が高く、GDPに占める医療費の割合も他の先進国に比べて群を抜いて高い状況です。このため健康保険料の高くなり、保険に加入しない人やできない人が出てきており、問題となっています。
この問題を解決するため、オバマケアでは健康保険への加入を促すようにしています。例えば、民間保険に関しては、保険会社に既往歴のある人を除外しないように規制を設けたり、保険に加入していない人に追加税を設けたり、あるレベルの所得の人には保険に加入した際には大きな税金の控除が設けられたりしています。また、公的保険であるメディケイドへの加入基準の緩和や、Young Adultsは26歳まで親の民間保険に留まることができるなどのルールを設けました。
これらは一定の成果を上げて、保険加入者が増加しました。しかしながら、保険料が増加したり、州によって状況が異なったりしており、オバマケアを持続的に適用することは財政的に可能なのかといった議論がされています。現在、民主党政権から共和党政権に移り、共和党がオバマケアをどう扱うが注目されています。
日本は国民皆保険があり、いつでもどこでも均一な医療サービスが受けられかなり恵まれた環境にあります。しかしながら、アメリカと同様、医療費が財政を圧迫してきており、医療費抑制の波が来ています。こういった中で、製薬業界として、患者さんにどのように貢献できるのかと考えたとき、医薬品の有効性と安全性はもちろんしっかり担保する必要があります。しかし今後は、患者さんの経済的な負担をどの程度に軽減できるのかといったことを本気で考えないといけないと感じました。例えば、自社の医薬品が入院日数や入院回数を減らせたり、また、他の服用している医薬品の数を減らせたりといった経済的なメリットをより高いエビデンスで証明する必要があると感じました。
冬学期はヘルスケアの授業が目白押しであり、よりたくさんものを吸収して、自分はどのように健康に貢献できるのかじっくり考えてみたいと思います。