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冬学期のElective紹介:INTERNATIONAL BUSINESS IMMERSION (BA685)

Before you can make a difference in the world, you need to see the world

お久しぶりです、Yasuです。この度Winter AとBの休み(いわゆる春休み)で、アフリカはルワンダに授業の一環で行ってきましたので、その話をさせてください。

まずは授業の紹介から。自分が冬学期で履修している授業の一つがこの投稿のタイトルにあるInternational Business Immersion (BA685:Health Care Delivery in Emerging Markets)です。内容を非常に簡単に言うと、アジア・アフリカの途上国の病院やNGO等が抱える課題について、Rossの学生がコンサルタントとして1~4月の約4か月間、クライアントと共に働いて解決していくというもの。授業構成は、前期6回の授業で途上国のヘルスケアビジネスについて知見を深めながら、同時にクライアントとの接触を始め、春休みに現地訪問、その後アウトプットの作成、クライアントへのプレゼンと進んでいきます。この授業はRoss名物のAction Learning Programの一つで、William Davidson InstituteというRossの機関が監修しています(旅費をかなり補助してくれます)。要は机上の勉強ばっかりやってないで、現地・現物を見て、心身ともに汗をかいてこい、という授業です。MAPというRossの必修コンサルプログラムとかなり近い内容です。また、以前にSunaoが紹介したオペレーションのTO582のヘルスケア版とも言えるかもしれません。なお、この授業を履修するには独自の選考に通過する必要があり、説明会参加とエッセイ作成が必須です。

この授業を履修した理由は以下の通り。

  • 机上の勉強に少々飽きてきた
  • アメリカ人とがっつりコンサルプロジェクトをやりたかった(GMBAのMAPはアジア人同士)
  • 途上国に行けるチャンスを生かしたい
  • ヘルスケアビジネスへの興味
  • コンフォートゾーンからの強制的脱出

選考の結果アサインされたのはルワンダのプロジェクトでした(第一希望)。他はケニア、スリランカ、インド×2のプロジェクトがありましたが、内容と国のレア度(主観)でルワンダをチョイス。プロジェクトの内容は、ルワンダの田舎(ルリ地区)にある地域医療を担う病院の中期経営計画を作る研修を作ってほしいというもの。メンバーは2人がFull-time MBA、1人がErb Instituteに所属するDual Degree(MBA & Natural Resources)の学生、あとPublic Policyの学生1名と自分(GMBA)の計5人。女性3人、自分以外アメリカ人、そしてみんな独身(笑)というチームで、2月下旬にルワンダに乗り込みました。病院のあるルリ(Ruli)は首都のキガリから人生最悪と呼んでいいオフロードで3時間。途中何度か車が泥にハマり、崖のそばでスリップして本気で死ぬかと思いましたが、何とか到着。

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渡航前の打ち合わせや事前の情報収集では、プロジェクトの骨子や狙いすら曖昧で、前途多難な現地訪問を予想していましたが、実際に行ってみると、やっぱりカオスでした。聞いてた話と違う、なんてザラで、まず何がどうなっているのかを把握し、そこからの短期軌道修正が勝負どころでした。しかもルワンダは最近公用語が英語になったものの、それまでのフランス語がまだまだ主流で、インタビューの7割がフランス語で行われ(通訳付きだが)、さらに病院を取り巻く環境の複雑さ(ルワンダ政府とスペインベースのカトリック教会の50:50共同出資による経営など)が、物事の理解をより困難にしており、正直かなり苦労しました。

そして、村での生活も実は大変です。何せネットは病院のオフィスだけ(携帯の通信は2Gのみ)、宿泊施設は教会の祭司が管理する建物(Parish)で、シャワー無し(バケツ汲み置きの水だけ)、水も雨が降らなかったらすぐになくなる、雨が降ったら道がドロドロ、夜は暗すぎてヘッドライト必須、食事も芋、キビ、粟などの質素なものばかり(個人的には全く問題なかったが、アメリカの味からは程遠い)、毎日マラリア対策薬を飲む、強烈な蚊よけクリームやスプレーの散布、村のショップも品ぞろえはかなり限られ(物価はかなり安いが(5人で飲んで食べて1人3ドル))、先進国慣れしているとストレスがたまる環境に間違いありません。メンバーはみな海外渡航国数が20を超える強者でしたが、女性陣は約1週間頭を洗えず、大変そうでした。

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とはいうものの、メンバーにかなり恵まれたおかげで、何とか村を出発するまでにはおおよその方向性を固め、無事に帰ってくることが出来ました。アメリカ人の仕事のやり方、人間関係の作り方、彼らの本音と建て前、そして逃げ場のない英会話(笑)等、一緒にいることでかなり勉強になりました。上の写真は病院のインタビュールームでの一コマ。一番右の女性は現地で通訳含めていろいろ対応してくれたルワンダ現地人のアリス。他はプロジェクトメンバー。見ての通り非常に明るく楽しいグループで、ネタに欠かすことのない滞在になりました。下の写真は最後の幹部ミーティング終了後の写真。たった1週間足らずの滞在期間でしたが、最後には病院やその他関係者と良好な関係を気付くことが出来ました。

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村での滞在中、かなりの頻度で子供たち囲まれ、「ムズング!(現地語で外国人の意味)」と呼ばれ、握手したり抱きつかれたりしました。そりゃ白人は目立ちますよね(しかもサングラスなんてかけたらもう・・・笑)。自分もアジア人なのでここでは同様に目立ちます。他の大人たちもミシガン一行をそれはそれは珍しそうな目でジロジロ見てきて、BonjourなりHelloなり声をかけてきますが、とっても控えめ。これは国民性のよう。でも彼らもお酒を飲むと陽気に踊っており、何だか親近感を覚えました。

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最後に1枚の写真を。これは朝早めに起きて村の写真撮影をしていた時の一コマ。村が標高1500mくらいの高さにあり、天気が良ければ毎日雲海を見ることが出来ます。日本の兵庫県の竹田城のそれも有名ですが、これはまさに幻想的で、毎日見ていても全く飽きませんでした。他の自然も非常に豊かで、心洗われる景色に囲まれていました。

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滞在中の話を全て語ると、何万文字になるか分からないくらい濃密だったのでこの辺で止めておきますが、総じてかなり良い経験となり、履修目的はかなり達成されたのではないかと。

ただし、プロジェクトはまだこれからが本番で、実際にアウトプットを出していくフェーズに移っていきます。どこまで出来るか、卒業の足音が聞こえてきた中で、自分を試したいと思います。