サイトへ戻る

ケースコンペ

Ross名物 ーLeadership Crisis Challengeー

こんにちは。Mahoです。

今回は1月に行われた、Ross名物"Leadership Crisis Challenge(通称LCC)"についてご紹介したいと思います。

https://michiganross.umich.edu/sanger/crisis-challenge

LCCは数あるケースコンペの中でも非常にユニークなもので、二日間かけて行われる「企業が危機的状況に陥った際に試されるリーダーシップ」を競うものです。メンバーは1日目に5名のチームを組み、仮想の会社のCEOや各事業部の役員といった役割を担います。そして、一斉にケースが配布され、突然危機的状況が発生したという想定の下、人的・社会的および経済的損失の極小化を図り、あらゆるステークホルダーに迅速かつ適切に対応するため、各チームが対応策を検討開始します。2日目には今後の対応に関するBoard Member向けの報告やマスコミ向けの記者会見を行い、二日間の活動全体を通じて優勝チームが決まるという形式です。

このコンペが非常にリアルに出来ており、内部告発者がいたり、マスコミに先に情報がリークされたり、抗議デモがおこったり、法律上は問題なくとも社会的責任をどう考えるのかといった議論がおこったり、不買運動がおきたり、地域住民の雇用を考慮する必要があったり、地元政府との交渉が入ったり・・・。刻々と状況が変化し、社内外から様々な報告があがってくる中、限られた時間内で適切に情報を取捨選択し、優先順位をつけて対応することが求められます。

私が参加したコンペのケースは、おそらくFlint Water Crisisをベースに作られたと思われ、膨大な情報だけでなく、その土地特有の特殊な事情や地域住民の価値観など、様々な観点から短時間で方向性を明確化する必要がありました。

公式サイトにもあるとおり、求められるリーダーシップは下記の通り。

・Navigating ambiguity

・Exercising good judgment

・Performing under pressure

・Adapting through turbulence

まさにこれらが総合的に試されるケースコンペです。

各ステージではコミュニケーションコーチや現役で活躍されている企業の役員の方々、さらにはマスコミ関係者等から、大きな方向性からちょっとした仕草や声のトーンについてまで、個別にフィードバックを受ける機会もあります。

私は今回初めて参加しましたが、RossだけでなくLaw SchoolやEngineering School等からの参加者も多く、皆が様々な視点を持っていて、とても勉強になりました。

このLCCは、RossのSanger Leadership Centerが主催しています。Sanger Leadership Centerでは他にもリーダーシップに関する様々な活動をしており、我々もAnn Arborに渡米後、多様なLeadershipスタイルについて学ぶセッションがありました。

 

RossではMichigan Model of Leadershipが提唱されており、リーダーシップを4つに大別しています。考え方や行動パターンから、赤・緑・青・黄色の4つのスタイルに分けられ、それぞれの特徴や注意すべきポイント、今後どのようにリーダーシップを強化していくべきか、などを学びます。

broken image

様々なリーダーシップのスタイルがありますが、クラスメートが各色で分かれた結果をみると、「なるほど~納得!」という感じで面白かったです。

今回のLCCでも、できるだけ多様なリーダーシップスタイルでチームを編成するように動き、自分とは対極(赤なら緑、青なら黄色、など)のスタイルを尊重しながら活動を進めることがひとつの指針となっていました。

MBAでは様々なコンペに挑戦する機会がありますが、このLCCはとてもおススメです。Business EthicsやInternational Business関連の知識としてボパール化学工場事故ネスレの粉ミルク不買運動などなど、歴史上の出来事を知る機会はたくさんありますが、実際にストレス下でトップマネジメントとしてどう考え、行動すべきかを、"Action Based"で学ぶ訓練は、なかなか貴重なのではないでしょうか。ご興味のある方、ぜひRoss入学後、参加してみて下さい。