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ついにMAP始動!!

「カオスに立ち向かう総力戦」の最前線から

ご無沙汰しております。Yasuです。卒業式後の短い休みを挟んで、この5月よりGMBA最後のプログラムとなるMAPがスタートしましたので、その様子を少しご紹介したいと思います。MAPについてはこちら↓の動画をご覧ください。

MAPとは、Ross MBAの目玉ともいえる必修の企業コンサルプログラムで、内容は学生コンサルタントとして7週間フルタイムで活動し、クライアントのビジネス上の重要課題に全力で取り組むというもの。(MAP期間中に授業はありません。プロジェクトに100%集中します)。現在では多くのMBAプログラムで同様のカリキュラムは存在しますが、その発祥はここMichigan Rossです!(学校曰く)。そして個人的には、コンサルティングプロジェクトからの学びの多さを前回参加したルワンダのプロジェクトで実感しているため、MAPをとても楽しみに待っていました!

この度自分がアサインされたプロジェクトは、アメリカ中西部にある生活消費財メーカーのあるブランドのマーケティング戦略及び成長戦略を考えるというものです。今週は実際に現地を訪れ、インタビューやミーティング、上層部へのファーストプレゼン、チーム内でのブレスト、議論など、忙しいながらも充実した日々を送っています。他のMAPチームも同様にそれぞれのクライアントのもとで、データ収集・分析やインタビュー等に勤しんでいるようです。

サブタイトルにあるように、自分の中でのMAPの印象は「カオスに立ち向かう総力戦」です。クライアントの抱える課題は複雑で、概念的、抽象的であり、実際のビジネスの現場と同様、MBAで習ったことを適用すればすぐに解決できるほど甘くはありません。チームメンバーはGMBAのみで構成されるため、すでにお互い勝手知ったる仲ですが、それでもバックグラウンド(コンサル、不動産、広告、運輸)やRossで履修した授業、個々人の強み・弱みはバラバラなので、色んな意味で常にカオス感が漂っています(笑)そんな一人ではどうしようもない状況には、チームの力を利用するのが最善で、文字通り総力戦で立ち向かうのがMAPの醍醐味だと言えるでしょう。

今直面している課題は、ロジカルシンキングが行き詰る時の打開策です。MBAでは数多くのケーススタディを通じてロジカルシンキングを鍛えていきますが、卒業間近にしてぶっちゃけますが、自分は未だに得意ではありません(笑)また、クライアントと協働していく中で、第三者のフレッシュな目線が段々と無くなり、視野が狭くなることも前回経験しているので、個人的にかなり注意を払っているところです。調子よく議論が進んでいる時ほど、大事なものを見落としているものですから。

例えば今取り組んでいるブランドマネジメント戦略について言うと、クライアント側のブランドマネージャーはあるプロダクト/サービス(下図中央)のブランドを☆☆☆というモノと同じカテゴリで考えているとする(緑の枠)。しかし、消費者の感覚からすると☆☆☆と同じというより、〇△□の方が見た目や機能はどうあれカテゴリとして近い(感覚的/物理的に近い:赤の枠)かもしれないし、XYZ(灰色)の方が近いかもしれないし、はたまたまだ思いついていないABC(黄色)がそれかもしれない。

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要は如何に仮説・問いを立てるかであり、この設定が適切でないとその答えも自ずと不十分なものとなる。言わずもがなではあるが。上の図を再度使うと、どんなに緑の枠内で論理的にMECEに頑張ったところで、もっと重要なのは赤の枠内で考えることだった場合、恐らく途中で行き詰るだろうし、力業で押すにもエネルギーがかかるしどこかで無理が生じる。

しかし、この事実(緑より赤)に気づくこと、もとよりその可能性があることに気づくのは結構、いやかなり難しい。何故か。

  1. クライアント側から提供される情報やデータは、緑の枠内を無意識のうちに前提としている(向こう側が「どんな意見でもwelcomeですと断っていても」)。
  2. その範囲内ではある程度のロジカルシンキングをすることは可能。だが、やがて行き詰る。
  3. 行き詰った理由を考える時にも、緑の枠内でしか考えていない。
  4. 必死になる余り、広い視野を見失う。
  5. 手元のデータを活用しようとして、視野狭窄になる。

概ねこんなところだと思います。ロジカルに考えようとするあまり、ロジカルでなくなるという何とも皮肉な結果が。分析タイプの人間が陥りやすい落とし穴かな。

その一方で、「ふと」、「なにかの拍子に」、「冷静になって考えてみると」、「よくよく思い直すと」それまでと全く違う、でもしっくりくる見解が出てきたりする。もしかしたら全くロジカルではないかもしれないが、でも感覚的に圧倒的にMake senseだったりする。MBAであまり扱わない類の話かもしれないけど、実際の生活ではよくあることですよね。しかも、その「フッと湧いて出た」類のものは、実はよくよく見るととってもロジカルなものだったりする。ロジカルに説明できちゃうのに、ロジカルシンキングでは出てこない。なってこった!

よって何が言いたいかというと、ロジカルシンキングがそこまで得意ではない自分は、一見ロジカルではない他の手段も活用してロジカルシンキングをした方が効果的である、という仮説を立てた、ということです。最終的にはどんな主張も量的・質的データで十分にサポートしないといけないので、最終的なゴールはあくまでロジカルではあるが、その過程はいろんな方法があっていいのかなと。

さて、これをどうチームメイトの説明しようか・・・新たな課題が出現しました(笑)明日も元気に頑張ります。