こんにちは、Leoです。
早いもので、本日でFall Termの試験期間も終わりました。
ここ最近の投稿では、MBAの授業や生活全般で気づいたことを同期が書いていたので、今回は、少し違った角度から書いてみたいと思います。
それは、家族連れのMBA生活は大丈夫なのか、という話です。
自身を振り返っても、妻と留学生活をどう過ごすか、随分話しました。それが最終的には出願校選びに影響することはなかったものの(家族を足かせに感じて出願への影響が出ないようにしてほしいとの妻からの理解もあり)、相応の時間を費やしてリサーチをしましたし、妻との会話に上がらない点についても、あれやこれやと考えたりしました。
人によっては、家族と離れて暮らすことをやむなしと覚悟して受験される方もいるかもしれませんし、家族同伴で行きたいが迷っている、家族がためらっているという状況の方もいると思います。そんな方に、情報としての具体性をご提供し、少しでも「なんだかよくわからなくていけるか心配」という不安の緩衝材になればと思います。
まず結論からですが、家族連れのMBA生活は、まず大丈夫と申し上げたいと思います。もちろん、苦労はあります。家族の負担、留学生のストレスは間違いなく生じます。ですが、それらはマネージ可能ですし、それ以上のリターンもありますよ、という意味で、大丈夫と申し上げたいのが本日の投稿の意図です。
2016年の学生の家族構成は以下の通りです。(アナーバー着時点)
ー妻帯同、子供1名(4ヶ月)→これが私のケースです
ー妻帯同、子供2名(5歳、1歳)
ー妻帯同、子供1名�(3歳)
ー妻帯同、子供なし
以降は、要素を分解して考えてみたいと思います。
<住居>
住居のオプションはいくつかありますが、子供の年齢が結構なドライバーになると思います。私のケースでは、子供が小さく外で走り回ったりする必要がない(卒業までの成長含め)ことが見えていたので、私が学校に通いやすい場所ということで、ダウンタウンのマンション(自転車で3分、徒歩10分、家賃2600ドル、約70平方メートル)を選びました。会社の家賃補助が出ますが、それでは足りないのでこの高い家賃をカバーするための自己負担分もありますが、その分、利便性を重視した家選びをしました。ダウンタウンのレストランも近接しており、ソーシャルイベントがあった時の移動時間もほぼなく気軽に顔を出したりできます。
もう2つの子連れ家族は、近くに走り回れる公園や学校・保育園の距離が生活基盤づくりの観点からは大事になり、ノースウッドという学校保有の家族向け学生寮(徒歩+バスで20−30分程度、家賃1300ドル、約110平方メートル)に住んでいます。ここは子供が駆け回れる大きな広場があり、子育てには大変良い環境です。また、学校、保育園スーパーに近く、生活目線で見た時の利便性が高いという利点があります。雪が降るとバスが遅れて通学が大変と聞きましたが、本当に大雪でない限りは遅れることもなく、バスが頻発されているので、問題ないと思います。
子供なしの家族は、ウッドベリー(徒歩+バスで10−15分程度、家賃1500ドル、90平方メートル)に住んでいます。ここはいろんな意味でダウンタウンとノースウッドの中間に位置し、バランス重視といったところでしょうか(スーパーは徒歩圏内にあり)。
<医療>
ここは日本とシステムが違うので、ストレスが日本よりかかってしまうこともあります。実はまだよくわかっていないことも多いのですが(半年住んで色々調べても理解が難しい、というのが実態です)、生活していて使う可能性のある病院のタイプは以下があります。
1救急車
2ファミリードクター(いわゆる大小様々なサイズの「病院」で、保険が効くところ)
3私設病院(保険が効くかは都度確認が必要)
1は使うことは基本ないでしょうが、万一必要の場合は日本のように911(119ではないですね)をかければすぐです
2は一番よく使います(実際自分はここに家族合計で10回以上は行っていると思います。大半は子供の風邪ですが。。。)が、これ、大変困るのは、日本のようにとりあえず行って診察券を出して待つ、というのがこの辺ではできません。必ずアポが必要なのですが、このアポ取りもまた大変。まず、「初診」は初診でやらなければならず、この予約をとるのに、なんと2−3ヶ月は当たり前、場合によっては4ヶ月先になったりします。この初診を終わらせないと、病院として患者を受け付けてくれないとのことで、これは渡航前にしっかり予約してから行く必要があります。さらに、初診が終わって病院にカルテができて安心、と思ったら、これまた違います。自分が世話になっている大学付属の病院は、当日予約は朝8時から電話で取る必要があるのですが、これも8時過ぎには大抵埋まります。なので、家族の体調が悪い時は8時に電話を待ち構えてかける。これが必要で、とても面倒です。さらに、日本と考え方が違うのか、風邪を引いているので薬をくださいとお願いしても、「様子を見ましょう」が基本的な回答で、せっかく来たのにこれか!と思うことも多々。と大変な様子ばかり書きましたが、日本語が通じる先生もいますし、日本語が通じない先生でも通訳を基本的にはつけてくれるので、海外生活が初めてで英語は不安、という奥様一人だけでも、安心して病院に行くことができる点では、すごい助かっています。
3は使ったことはありません。保険がカバーされないと、何の変哲も無い風邪の診療で100−200ドルは平気でかかるので、おすすめできません。ちなみに保険は大学指定の保険に強制加入させられ、そのカバーはかなり充実しています。
<交通>
車があるに越したことはありません。同期で家族持ちは全員車があります。免許がある方は、ペーパードライバーで渡航したとしても、頑張って運転を練習をすれば、すぐに慣れます。自分の妻もペーパードライバー状態できて、最初は慣れるのに時間がかかり、妻のストレスの種にもなっていましたが、アナーバーは小さな町ですので、生活圏で運転する範囲では全く問題なくなってきます。
車がなくても家族生活は可能といえば可能です。子供がない方は、Uber(いわゆる白タク。でもとてもしっかりしています)、Zipcar(カーシェアリング)をスポットで利用し続けることで生活することはできます。ですが、そうなると特に奥様が日中外に出るのに毎回足の手配が出たり、バスもありますが行きたい場所にドンピシャでいけることもそうたくさんないので、結局辛くなります。また、家族持ちの場合面倒なのがチャイルドシートの扱いです。ミシガンではチャイルドシートが義務付けられており、違反すると罰金100ドル(くらい)が課せられますし、何より万一衝突事故が起こった時の子供の安全を考えれば、警察に見つかる見つからないの話は抜きに、着用すべきです。そうなると、UberやZipcarに毎回チャイルドシートを持ち込んで着脱が必要になり、これがまぁ面倒です(自分も最初しばらくやりましたが、とても疲れました)。
逆に、話は戻りますが、車を運転さえすれば、大変快適な生活が待っています。アメリカでは中古車市場がしっかりしており、またGMBA内でも毎年後代に車を渡して行くおきまりの行事があり、売り手、買い手側共にリーズナブルな価格で取引ができるので、年間コストで考えれば、UberとZipcarのスポット利用より俄然安い生活ができるはずです。
<教育>
小学生以上の年齢は、日本と同じく小学校があるので、そこに通わせることで日本と大差ない環境が揃うはずです。保育園・幼稚園は子供の年齢と教育方針により様々です。まず、アメリカの保育園は、お金さえ払えば、保育園は必ずと行っていいほど生後3ヶ月以降どこでも入れます。月齢・年齢によりクラス・学費が細かく分かれており、お財布と得られる自由時間を天秤にかけながらどこに週何回、何時間預けるかを決めることになります。例えば、0−1歳までは、週2回終日預けるだけで週200ドルかかります(高い!)。1歳以上はすいません金額は厳密にはわかりませんが、1歳、2歳、4歳など、年齢が一定のところに達するとガクッと値段が下がるので、週4回に増やしたり、週5回にしたりなど、様々な対応を各家庭しています。
奥様がどれくらい育児を自分の手でやりたいかにより、預けるか預けないか、預けるなら何日にするかの選択はありますが、私の意見としては、年齢に限らず保育園は活用した方が良いと思います。その根拠としては、ここは日本ではないということをあげます。どういう意味かというと、日本ではなんだかんだ親が近くにいたり、親が地方で夫婦だけで育児している場合であっても、近くにマツキヨもあれば、病院も日本語が通じるし、ママ友(ママでなくても古くからの馴染みの友達)がいるし、絵本も買えるし、全てが水みたいですが快適に生活する環境が整っています。こちらでは、もちろん他の家族と仲良くなるし、生活も慣れれば自分で出歩くこともできますが、やはりストレスは溜まります。そうなると、いつも家で子供といて、外にも出るのが億劫になり(娯楽のオプションも子供連れだと事実として減ります)、家で悶々とした時間を過ごす、という展開になります。これは奥様にとって耐え難い時間であると共に、学生本人も家族が気になって学業に集中できなくなるという結果につながるので、良い状態ではありません。
そうなると、奥様には子供を保育園・学校に送り出すことにより捻出した時間を大いに活用してもらい、英語教室や料理教室に自由に行ってもらったり、奥様方で子供の世話を気にせずお茶したり、映画をみたり、ゴルフに行ったりと、気晴らしをしてもらうことで、家族が充実した時間を過ごすことができます。また、子供にとっても、やはり高いだけあって、子供:保育士の比率がかなり恵まれており、しっかりと一日世話をしてくれます。また風邪はもらったりして大変ですが、子供自身も他の子供たちと遊んで、社会性を身につけたり、感情を育てることができるので、やっぱりいいと思います。また、いわずとしれたことですが、子供が驚異的なスピードで英語を体得していく姿は、圧巻です。半年もすれば言葉を覚えたての子供は英語が主言語になりますし、5歳の子も英語と日本語を自由にスイッチするようになります。ぜひこのタイミングで子供の国際教育をされてはいかがでしょうか。(自分は子供小さすぎて英語が残らないと思います涙)
<食事>
特に奥様は、日本食の充実度合いや日本食材が手に入るかきになると思います。日本食レストランは、クオリティはあまり満足できませんが、寿司、てんぷら、そば、うどん、ラーメン、カツ丼、枝豆、揚げ出し豆腐、唐揚げ、たこ焼き、味噌汁、おにぎりなど、定番の日本食が食べられる日本食レストランがアナーバー内に5件ほど、デトロイトや近隣の小さな町まで足を伸ばせばもう数軒あり、一通りの食欲は満たすことができます。
日本食材については、野菜はやったら細い大根、やったらでかい茄子、やったら高額なしいたけなど、サイズや値段については驚きがありますが、日本の品揃えの、そうですね、6割くらいは普通のスーパーで揃っています。肉はスライス肉がありません。という感じですが、アジア食材店(韓国・中国人がオーナーの店)がアナーバー内に3軒ほどあり、そこに行けば薄切り肉、通常のスーパーで手に入らないアジア系の野菜、冷凍納豆、明太子、餃子、枝豆、餅、味噌、その他調味料は手に入ります。値段は3−5倍しますが。。。
ということで、食事も全く問題ありません。むしろうちはそこらのレストランに行くより家でいろいろな和食にトライし、うまい!と舌鼓を打つのを楽しんでいるくらいで、結果的には生活費も浮くし、家族の会話の時間も増えるし、これはこれで楽しい生活になります。
<まとめ>
ということで、海外に住む以上、日本と同じ生活には期待できず、苦労は間違いなくあります。これはまずお伝えしなければなりません。ですが、特にお子さんがいる家庭については、小さいうちに家族が離れて暮らすのは、子供のいろんな意味での成長の観点から、可能な限り避けてあげた方がいいですし、こちらに来てから一緒に困難を乗り越えることにより、家族の絆は間違いなく深まるはずです。また、MBA生活は本当に忙しいですが、うまくタイムマネージすれば、家族が寝ている深夜早朝や休日に勉強を頑張って平日の日中に空き時間を作り、芝生でピクニックご飯したり、スーパーに一緒に買い物に行ったり、子供と遊んだりでき、人間として充実した時間を過ごすこともできます。家族が一緒に来られるか不安だからMBA受験を戸惑う、、、という方もいると思います。大変お気持ちがわかります。そんな方には、自信を持ってMBA生活、家族で過ごすことは大丈夫です!とお伝えしたいと思います。また、MBAに合格したけど家族が渡航をためらっており本人としては一緒に行きたいのに頭を抱えている、、、という方がおられましたら、ぜひご家族でこちらの記事を読んでいただけたら幸いです。自分も、家族として渡米できるか不安だったため、GMBAの日本人卒業生にお時間をもらい、生活環境についていろいろ教えてもらい、それはもう大変救われたというか、安心したことを印象深く覚えています。このブログから少しでも具体的に生活の様子を掴み、安心して家族での留学生活を前向きに検討いただけましたら幸いです。